ローリングと止める感覚

調子が悪いときや疲労している時、立体感(三面の動き)が出ず縦の動きしかでないため腕で一生懸命引っ張る、もしくはキック頼みのフォームになる選手がよくみられます。

こういう時の解消法として力みを出さず素早いローリングの動作を出すエクササイズが有効です。

ただし、ローリングも無理やり出してしまうと抵抗の大きな泳ぎになってしまい、キックが水に対して垂直に入らなくなるリスクがあります。

そのためローリングの動きも出しつつ”止める”動きの習得もしましょう。

ローリングで動きを出して(このローリングは抜群に上手くて芸術的。笑)

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いくつかのエクササイズを挟み

クオータージャンプ(もう少しスピードが欲しいですね。笑)

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動きを出すところとスピードを出しながら止める、これが重要です。

ボックスに乗った時の脚の向きやジャンプの時の力の抜け方も大事です。

身体が動かないときこそマッサージやストレッチにこだわらず、本来持ち合わせている動きを引き出してあげる、そんな選手が増えるといいな、と思います。

タイムが行き詰っている、身体が思い通りに動かない等の悩みがある、本当にこのトレーニングでいいのかと疑問を持っている選手、もしくは指導者の方はいちどご相談ください。

ジュニアからマスターズまで指導させていただきます。

キックで”股関節が詰まる”

昨日居残りした400mFRの選手から受けた相談です。

ASLR(仰向け脚挙上テスト)と呼吸のテストをしてもらいました。

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ASLRをすると股関節が詰まって腿前が攣りそうになるらしいです。

泳ぐときも股関節の内、腿前が詰まった感じがしてキックが入らないのでプルで”引っ張る”フォームのため50、100のスピードが出ないのも問題です。

ということで、、

出力を上げるため股関節センタリング(股関節のネジをいい位置に戻す)のコアアクティベーションエクササイズを1つと脚が挙がると反射的に胸椎を反ろうとするので首周りと上半身の緊張を落とす呼吸のエクササイズ1つをしました。

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主観的にも客観的にも詰まりがだいぶ取れて動きがスムーズです。

これで次のレースベスト出るかな?笑

ストレッチも大事ですが今回の詰まりの1番の原因は柔軟性の欠如ではないので原因の部位(股関節詰まるから股関節のストレッチやマッサージしよう!)ではなく原因の動きを評価することもより大事ですね。

愛媛県合宿とピーティーの脇

昨年末になりますが愛媛県合宿に行ってきました。

(やらせではないです。多分。)

中学生~高校生をメインに大学生、上は31歳の現役バリバリ選手までドライランド指導をさせていただきました。

今回担当コーチからはフリーのプッシュからリカバリーにかけて”はね上げ”をする選手が多いので身体全体を使って泳げるようにしてほしいという要望があったのでそれをメインに行いました。

ジュニアの頃から腕を回しまくってる競技のため肩(肩甲上腕関節)関節を動かすことに優れている選手が多く、身体の中心から動かす感覚の引き出しを持ち合わせていないことがよく見られます。

この場合起こり得る問題が大きく2つ。

①肩関節で無理やり水を捉えるため肩前方に痛みが出る

②キャッチの時に肩関節を”入れすぎる”ため肩甲骨が滑って水を捉えれない

キャッチができない選手でわかりやすいのが”四つ這い”姿勢です。


競泳選手の場合、四つ這いにした途端、肩甲骨が浮き出るもしくは寄る、そして頭が下がる、もしくは首がガクンと落ちる。

この姿勢は水中のフォームに直結することが多いです。

肩関節の柔軟性(弛緩性)だけを出し、肩甲骨を寄せたり動かすことにフォーカスを当てすぎた選手に多く見られ力強いプルを生み出すことが難しくなります。

“肩甲骨周囲”の筋がしなやかな動きをつくるためストレッチをすることはとても重要ですが、”泳ぎの中で肩甲骨を寄せて泳ぐ種目はない”ため安定させることもより重要です。

例を挙げるとアダムピーティーのキャッチ時の水中映像がわかりやすいですが、肩甲骨(肩甲胸郭関節)はガッチリ安定していてまるで巨大なショベル(シャベル?)で水をかき集めすくっているようです。

(引用:https://instagrammernews.com/detail/1580362160733837012)

脇の下の巨大ポケットがあるようにも見えます。

まずはこれをつくるプレエクササイズです。

DNSでいう”12ヶ月のポーズ”、アニマルフローでいう”ベアポジション”である四つ這い+膝を浮かすポジションをペアでチェックしました。

(これはちなみに選手じゃなくまさかの先生ですね)

・手で床をプッシュできてるか?
・肩甲骨を寄せずに安定できている?”ショルダーパッキング”
・顎ひけてる?→これができない選手はレース後半で頭が揺れて下半身下がってきます
・頭頂部から尾てい骨まで一直線?
・お腹が凹まず横にしっかり広がってる?

これができたらそのままのフォームで片手を床から離してみましょう。もちろん軸は動かさずにです。

(ちょっとサル手になっていますがNGですのみなさんは注意してください!)

シンプルな動きですがエラーが出る選手はまだプル動作に改善できる余裕があります。

国体ではお世話になっている愛媛県ですが、合宿自体は初めてでスタッフの方々にとてもお世話になりました。

先生やコーチたちもドライランドに参加してくださり、(選手より真剣でなぜか翌日筋肉痛に苦しんでいました)とてもいい環境で過ごすことができました。

また社会人選手が引っ張って行く姿には感動すらありました。

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アシスタントしてくれた美紀や侑平にも感謝です。

大先輩方には極寒の中、震えながら大きいカレー皿に盛られた巨大なかき氷までご馳走になり愛媛県のスタッフの方には感謝しかありません。(次は夏場にご馳走になりたいものですね。)

愛媛県の選手や四国の選手、中京大の選手の今シーズンの活躍が楽しみです!

小学生も同じメニュー?

小学生向けのトレーニングについて以前も書きましたが、指導者のみなさんはどのようなエクササイズを選択していますか?

子供は大人のミニチュアではないとよく言われるように、今だからこそできることを多く取り入れるのが将来に役立つと感じます。

種目の選択を間違うと、逆効果になるものや本来の狙いと異なることをしてしまうことになり兼ねません。

小学生のうちは「できる」「できない」がはっきりとした種目を選択するのも一つのアイデアだと思います。

大人と違い全力で「できた!」を目指してくれるので少し複雑な動きもたくさん取り入れます。
(人それぞれですが中学生ぐらいになると集団の中で自分だけができないことが恥ずかしいという感情がでてきてしまうので小学生のうちに引き出しをたくさん作った方がいいのかな、と感じます)

動画は小学2年~6年生チームの動作トレーニングの風景です。

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このようなベーシックももちろん取り入れますが、競泳は連続性の競技のためできるだけ後向きや非利き手等、いつもと違う環境を作り、動きの引き出しを増やして感覚を養うよう工夫しています。

また、競泳は基本的に体幹の屈曲(身体を丸める)動作がほとんどないため水中で身体を反る姿勢になってしまう傾向が多くみられます。

そのため胸郭が広がり息を吐く動作が苦手な選手が多く首回りや肩回りが緊張しやすくなります。

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上の動画は今年のチャレンジ種目で、狙いは背骨を一つ一つ動かす感覚を掴み、ZOAの獲得、頸椎のニュートラル、、、
とまあ、こんなことを小学生に言ってもわからないので(笑)

「ゆーっくりニョローっと優しく」
「ダンゴムシみたいに丸ーくなって」

擬人・擬音キューイングで対処です。

小学生だからやらなくてもいいということはなく、小学生だからことやった方がいいトレーニングはたくさんあります。

冬休みの2部練の間に取り入れてみてはどうでしょうか?

体幹=プランクだけ?

今日は体幹のアンバランスとパワーの連動についておはなしします。

水中でキャッチやキックのかかりに左右差が出たり、泳ぎが歪んだ感覚が出た時どのようなエクササイズをしていますか?

まずは呼吸や仰向け、うつ伏せ、四つ這い、座位、立位、、、とどのポジションで体幹の圧が抜けてしまうのかチェックして、、手脚を動かして、、

最終的にはアンバランスな姿勢で力発揮した時に体幹部が潰れないかを確認するエクササイズが役立ちます。

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これはベアポジションのスクラムです。

押し合いをしていますがチェックポイントはこんな感じです。

✔︎脇腹が潰れないか(左右差もみる)

✔︎膝がスタートと同じ高さをキープできているか

✔︎頭が落ちないか

✔︎背中が丸まったり腰反りがないか

選手たちはゲーム感覚で瞬間的に”力を出す”ことと体幹部の左右差をわかりやすく獲得してくれます。

肩が痛くなるのでタオルを挟んだ方がベターです。

ちなみに動画は水泳部ではなく東京学館新潟高校のテニス部のみなさんでした!

脱・水泳体型

上半身が大きくて逆三角形、ウエストが細くて脚も細い。

ブーメランパンツ?がまだ主流だった数年前、そのような選手が多かったのではないでしょうか。

現場にいくと胸郭が広がりすぎてお腹が凹んだ状態で体幹部が安定しない選手や指導者の方々からの質問が頻発します。

胸郭の可動域は競泳をする上でとても重要なことです。

しかし息を吸った時、胸郭の広がりをコントロールできずそのまま入水することでいわゆる胸呼吸になり、肩が上がり、呼吸が浅くなり、腰が反り、アゴがあがり、、、あまり良くない動きが多く見られます。

私の中のまだ不確定なデータですが、平泳ぎの選手によく見られます。

だから背泳ぎと自由形が絶望的に苦手な選手が多いと結論付けています。笑

ということで可動域だけでなく安定も同時に獲得しましょう。

下の動画は呼吸のエクササイズからデッドバグの一部です。

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体幹を360°安定させたまま腰が浮いたり胸が上がってこないよう脚を動かします。

手を動かした時、体幹部が抜ける選手はプル動作が上手くできませんし脚で抜ける選手は強いキック(特にアップキック)が打てません。

(ちなみに動画は両手・両脚で行なっていますが初めは片手・片脚です。同志社大学の選手たちは毎日やってくれているのでとても上手なのです)

とっても地味なエクササイズですが入水前に行うとボディポジションが安定します。

競泳エクササイズ、トレーニングの定期指導、イベント指導行っています。

yui.athletictrainer@gmail.com

上体が起き上がらないためには?

オフシーズンに入り、各クラブ泳ぎ込みと並行してトレーニング絶賛強化期間がやってきました。

スイマーにとっては肝心要のキャッチからプルを強化する懸垂についてお伝えします。

その中でもここ最近よく取り入れているのが股関節と膝関節を折り曲げて行う懸垂です。

挟むものはストレッチポールのハーフや腿とお腹でしっかり挟めるものだと良いですね。

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動画ではポールが離れてしまっていますが、本来は肋骨が開かないよう終始ギュッと挟んだままチャレンジです。

スイムの時、特にバタフライ、平泳ぎで上体が起き上がってしまう選手がノーマルの懸垂をすると腰椎伸展(腰を反る状態)を助長してしまいます。

特に後半に上体が起き上がってくる選手には取り入れてほしいエクササイズの1つです。

以前コアの記事でも書きましたが、腹腔内圧(=腹圧/IAP)を高めたまま肩甲骨(健康胸郭関節)を”無理に内に寄せず”、”安定させた状態”が保てるとキャッチの時肩がいいポジションで水がかかってきます。

難しいことを書きましたが、この種目に関しては1度やってみると納得できます。

こんな感じになります。(笑)

この他にも懸垂だけで数種目取り入れながら水中での身体の動きと連動させたトレーニングを行っています。

競泳のトレーニングについてより詳しく知りたい方はお気軽にご連絡ください。

 

yui.athletictrainer@gmail.com

ドルフィンキックを安定させよう

今年度より大阪に拠点を移し活動していますが、新しく依頼を受けた時に必ずご要望をいただくのが

 

“ドライで体幹”を中心に指導してほしいということです。

このワードを聞くと競泳だな~と感じます(笑)

今日はよく選手のメニューに入れているストリームラインカールアップをご紹介したいと思います。

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(※通常のカールアップであれば胸椎・頸椎の位置が変わります)

・IAP(腹腔内圧)を高めた状態をキープする(ドローインしない)
・尾てい骨から腰椎ー胸椎ー頸椎の順番に背骨ひとつひとつの動きを意識しながらゆっくりとおろし、逆の順番に上げてくる
・膝が開いたり足が床から浮かないようにする

動画の選手はとても上手にできていますが、背骨の可動域が必要なので難しい選手は手を下し、それでも難しい選手はチューブやセラバンドでアシストします。

競泳選手あるあるですが、この時(他のソフトコアのエクササイズを含め)ドローインや息止めをしないよう注意してください。

理由はたくさんありますが、一番はドローインをすることで回旋動作(水泳で言うローリング)が制限されてしまいます。

??と思った方はお腹を凹ませながら身体を捻ってみてください。

肩が上がって身体の動きがぎこちなくなります。

土台がしっかり安定していることで、特にドルフィンやバサロを打った時ムチのようなしなやかで強いキックを打つことができます。

★他のエクササイズについても知りたい方、トレーニング指導の依頼はこちらまで★

 

yui.athletictrainer@gmail.com

新シーズン始動!

新シーズンが始まり1ヶ月、こちらの中高生チームもシーズンに向けて立ち上がりました!

教育係制度を取り入れ、トレーニングペアの年上の者が年下の者を教育・指導し年上は責任を持って教えるということ、年下は先輩を敬い、わからないことをすぐ聴きやすい環境を作りました。

そして初の試みのFPトレーニング(フリープラントレーニング)を実験的に行っています!

自分の目標と不足している部分を選手同士で話し合って、自分でエクササイズやトレーニングを毎月考え15分間(残りの時間は決められたメニュー)導入してもらっています。

やらされるトレーニングからやってみたいトレーニングへ。

これがどうやら楽しいらしく、今のところ選手同士でわいわい、やいやいやっているようです!

仲良しもいいですが、馴れ合いはだめ。
年下のミスは先輩も一緒になって改善する。
それがいつかそれが自分のためになる日がきます。

中学1年生にとってはとても難しい課題ですが、そして口出ししたいけど待つことは私も苦手ですが、(笑)見守りたいな、と思います!

そして月2回、小2〜高2の選手コース全員でアフターケアをしています。

高校生たちはコントロールの効かない小学生たちにてんてこ舞いですが、みんなとても楽しそう。笑

きっと今シーズンは試合会場でも、トレーナーがいなくてもこの光景が見られるんじゃないかな、と期待しています。

 

最後はキャプテンからのありがたいお言葉で締めくくります。

★競泳に特化したトレーニング、エクササイズ指導やスイミングスクールでのイベントをご希望の指導者、選手の方はこちらまでメッセージをお送りください。

yui.athletictrainer@gmail.com

レベルを問わず小学生からマスターズスイマーまで幅広く対応しています。

小学生トレーニング

最近、「競泳は小学生からトレーニングが必要ですか?」という質問が多く、

「うちの選手は小学生でもスタビ(コアエクササイズのことですかね?)
と腕立てだけはやらせているんですが今のうちにしておくべきことはありますか?」

とご質問いただくので今日は小学生トレーニングについて書きたいと思います。

まず「小学生のうちから陸上のトレーニング(エクササイズ)が必要か」の質問ですが、時間が許す限り是非取り入れてほしいと思います。

 

成人選手の見様見真似でも構いませんが、できることなら多くの動作を取り入れた”運動”を入水前に行ってほしいです。

 

昔はゴールデンエイジという概念がありましたが、近年様々な研究がなされ基本的に私は「発育発達の段階と年齢区分」にカテゴライズされた「幼児期に身につけておきたい36の基本動作」を取り入れるように心がけています。

(参考:『0~5歳児の運動あそび指導百科』 ひかりのくに 2004年 )

 

ひとつのエクササイズを黙々と続けることも重要かもしれませんがこの時期の選手にとって最も重要なことは”動作の引き出しを増やす”ことだと考えます。

あるコーチはこう嘆きます。

「あの選手は毎日ストレッチしているのに身体が硬い」
「スキップもできず全くリズム感がない」

当然です。なぜなら「経験がない」し「感覚がつかめない」からです。

水中でコーチの指示ができないのは「やっていない」のではなく「その動きの引き出しがないから」の場合が多くみられます。

ということで、私が見ているいくつかの小学生チームではトレーニングやストレッチ、もしくは入水する前に「できるかできないかビミョーなラインのエクササイズ」を取り入れるようにしています。

その中のひとつをご紹介します。

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“clawling”

匍匐(ほふく)前進ぽいですが腕をつかわない運動です。

股関節の動きをスムーズにする他、上半身と下半身の連動性を身に付けるという狙いの基行っています。

ちなみに中学生以上が行うと股関節SMCD(機能障害)の選手は特に股関節インピンジ(挟まれた感じ、詰まった感じ)出現し、お尻が浮き上がって前に進まない選手も多いです。

この動きはスタティックストレッチでは得られない効果があり、乳幼児期には誰しもが行っていた動きの一つです。

動画ではとても上手にできていますが、初回、2回目は競泳選手らしく腕の力だけでプルしたりそもそもどうやって前に進むかわからない選手が半数でした。

小学生期は前進するトレーニング(エクササイズ)も大事ですが、
本来人間が持っている機能を失わないようなエクササイズを取り入れてあげると、年齢が上がった時に動きの幅が増えるのではないでしょうか。

引き続き、ジュニア期のトレーニングについてお伝えしたいと思います。

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